庭を囲む、愛着のある家具のなじむ住まい

新潟市江南区 U様邸  江南の家

2階からの庭の眺め
2階からの庭の眺め

▶家づくりのきっかけ

7年間住宅会社で設計や不動産に関わっていた奥様。
大切に集めてきた家具や生活道具たち。
素材感や経年で美しくなるものを大切にしておられました。
ご実家のリノベーションに関わったことをきっかけに、家づくりは始まりました。

▶住まいに求めるもの

✅趣味の自転車を整備したり、トレーニングできるスペース
✅将来的に親と同居ができるように
✅気持ちの良い洗濯・物干し空間。
✅小さくてもいいので、書斎が欲しい。
✅家族の時間を大切にしたい
✅シンプルで素材感のある住まい

ご主人に自転車という空間の必要なご趣味があること。
新居に引き継ぎたい、大切に使っている家具や生活道具があること。
北と東が道路、西と南に隣家が近接して建っている敷地状況。

これらを基に、プライバシーを確保しつつ、敷地を最大限に活用した
庭と一体的な暮らしを提案しました。

外観1

▶加藤淳一級建築士事務所を選んだ理由

実は奥様は、代表加藤のかつての同僚。
当時の仕事ぶりから、シンプルなデザインや素材への感性を信頼しご依頼いただきました。
U様邸は、その信頼に応えるべくシンプルなデザインと、
明るく柔らかい雰囲気が特徴になりました。

▶入居後のご感想 
「家の中のどの場所も気に入っていますが、キッチンに立った時にリビングも庭も見えるのが気持ちいいです」(奥様)

「休みの日の午前中に秋葉区の石油の里あたりまで走りに行って、午後は家でゆっくり過ごすことが多いですね」と、平日休みの過ごし方を語るご主人。

家を建てる5年ほど前に始めたという自転車。
ロードバイクとマウンテンバイクを1台ずつ所有しており、冬場のトレーニングスペースも兼ね、広い玄関土間を希望されていました。

自転車を出し入れしやすい、通常より大きな玄関ドア

玄関を開けると、いきなり自転車がどーん!と2台。
しかし、目線の奥に中庭が広がり決して圧迫感はありません。

土間と一体感の感じられる和室は、将来近くに住むお母さまが住めるようにと設えました。
個室が必要になったら、引戸で仕切ることができます。

くつろぎながら庭をみれるソファーは特等席

リビングのソファに腰掛けると、目線は目の前の庭へと伸びる。
「ここでぼーっとして過ごすのが気持ちいいですねとご主人。

「気持ちいい」と感じて過ごしてもらうため、光と風の入り方、抜け方には綿密な計算がされています。

実際の空間以上の広さを感じさせる勾配天井と、庭への大きな開口。
朝日が照らし、夕日は高窓から柔らかに差し込みます。
勾配天井と壁を和紙で仕上げたことで、光の反射は一層やわらかに。

高窓は開閉できるため、「外にいるよりもいい風がぬける」と夏でもエアコンをあまり使わず過ごしているとのこと。

そんな家の中心となる庭は、息子さんの遊び場。
「バッタやカマキリ、カエルなんかも庭で捕まえてきますよ」と、家にいながらも植物や自然の生き物を存分に触れ合いながら過ごしている。



「家の中のどの場所も気に入っていますが、キッチンに立った時にリビングも庭も見えるのが気持ちいいです」と奥様。
家全体でL字を描くプランにより、中庭を囲むように玄関土間・和室もみえるダイニングキッチン。

そのキッチンのカウンターには、お手持ちの食器棚を有効利用。
お気に入りの食器棚を使い、愛用の道具や食器を飾り棚にディスプレイ。
大切に手入れをしてきた愛用品に囲まれ「新築」のよそよそしさのない空間に仕上がっています。

古いものでは15年も前に買ったというものもある、家の中の大小の籠。
奥様が20年前に初任給で買ったという、寝室に置かれたビンテージのキャビネット。
年月が経つほどに味わいを深めていく家具や道具を20代の頃から自然に選んできた奥様。

インテリアに関しては「妻のセンスが良いので任せてます」とご主人が微笑む。
この「良いものを長く使う」という感覚が、家の素材のこだわりと見事に調和。
新築でありながらあたたかい、E様の暮らしの雰囲気が溶け込む住まいとなりました。

▶U様邸の設計ポイント

□60坪で広がりとプライベートを両立。
中庭を中心としたプランというと、広大な敷地を想像するかもしれませんが、U様邸の敷地は約60坪。新潟市郊外としては、特別に広いわけではありません。

また北と東が道路、西と南に隣家が近接して建っている敷地状況でもありました。
L字の配置と、格子の配置とデザインによってプライベート感と広さを両立しています。

和室からの庭の眺め
和室からの庭の眺め

□気持ちの良い家事の工夫
特に「気持ちよく洗濯したい」という希望について、細かな要望を伺いました。
私自身、日常家事をしているため、それぞれの家事の考え方によって「気持ちの良い」状態が違うと理解できるようになりました。
昔家事をあまりしていなかった頃は、気がつかなかった点です。

外干し中心か、中干しのみか。乾燥機は?
乾いた洗濯物を片づける場所は?洗面室に衣類もおく?

U様邸では、中干しも雨にぬれずに外干しできるサニタリーを西側に設けました。
あえて西向きなのは、強い西日でカラっと乾かすため。
デザインも兼ねた、外格子により、光も風も妨げず浴室もサニタリーも外部からは見えにくい工夫をしています。

2階の廊下にも、たっぷりの光がはいる物干しスペースがあります。
南の小窓の先はウォークインクローゼットで片づけも楽々。
大切な衣類に湿気がこもらないよう、小窓をあけて通風を確保しています。

□小さな書斎
階段上のデッドスペースになる部分を利用して、小さな書斎を設置。

スケッチ
スケッチ

あえて扉を設けず、寝室と段差と奥行でつながりながらも別空間となる書斎スペースが出来上がりました。

□家族との時間
2階の子ども部屋には地窓がついており、そこがダイニングとつながっています。

2階小窓からリビングを望む
2階小窓からリビングを望む

子ども部屋で過ごすようになっても、キッチンから気軽に声をかけられます。
「ご飯だよー」とか、「ちょっと来てくれない?」
逆に子ども部屋からも、漂ういい匂いに「お腹減ったー!」と覗き込む。

そんな多くの家で分断されがちな1階と2階をつなぐのがこの小さな小窓。
閉めることもできるので、暖房効率も損ねません。

庭を中心としてつながるU邸。
趣味の自転車をメンテナンスしたり、庭で虫探しをしたり、リビングのソファーでくつろいだり。
それぞれの楽しみの中にお互いの存在を感じる住まいとなりました。

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■DATA
竣工年月   2015年12月
構造     在来工法
所在地    新潟市江南区
家族構成  ご夫婦+お子様1人
敷地面積   198.06㎡( 59.79坪)
延床面積   110.62㎡ (33.46坪) 1F  68.89㎡ /2F  41.73㎡
耐震等級 3
断熱性能
施工 株式会社 Ag-工務店