新潟市東区 O様邸 東中島の家
▶家づくりのきっかけは?
「これから何十年と住んでいく家は、信頼できる人と一緒に作りたいと思いました」
30代のご夫婦と6歳と4歳(当時)の姉妹。4人暮らしのO邸。
中央区内の賃貸マンションにお住まいでしたが、
「上の子が小学校に上がる前に生活拠点を定めたいと思って」
と家づくりをの検討を始めました。
▶住まいに求めるもの
✅100足位の靴が収納できるスペース
✅白い切妻屋根の外観
✅ヘリンボーン素材が好き
✅ファブリックパネルを飾りたい
✅畳のスペースが欲しい
✅洗面所に可愛いタイルを使いたい
住宅に対し漠然とした希望はあるものの「こうしたい」という強いイメージは固まっていなかったというO様。
しかし、お話を伺うと求めるデザインは方向性が定まっておられました。
土地は東区の県道沿いに決定。
家づくりをはじめるにあたり、いくつかの住宅会社でプランを依頼したといいます。
▶加藤淳一級建築士事務所を選んだ理由
数社のプラン提案を受けたうえで
「敷地をしっかりと調べ、論理的に最適解を導き出して丁寧に説明をしてくれました。」
「営業マンを介さずに、建築士と大工(株式会社Ag-工務店・渡部栄次さん)のお二人と直接打ち合わせできるので、判断や意思決定が的確で素早いのもポイントでした」
そう主人が選んだ理由を語ってくださいました。
建設予定地は、道路側の間口に比べ、奥に細長い長方形の土地。
他社のプランでは、南側や北側に敷地を持て余してしまう印象になっていました。
加藤淳一級建築士事務所は設計する際、
その敷地の持っている特色や個性などをどのように引き出し、有効活用するか
に重点を置いています。
季節ごとの太陽の動きも考えたプランに感心してくださいました。
▶入居後のご感想
「どの部分を切り取ってもそこにストーリーがある。だからこそ、深い愛着を持って暮らせているんだと思います」(ご主人)
「2階のベランダの窓(南側)と1階のランドリールームの窓(北側)を開けると、すごくいい風が抜けるんです」と奥様。
設計の際、光と風の通り方を計算しているので、照明を点けなくてもあちこちから光が入り込み、穏やかな明るさが保たれています。
家づくりの当初からご希望にあったファブリックパネルは、玄関から階段へ続くスペースに。好みのものを簡単に入替できるよう設置しました。
壁に埋め込まれているパネルは、奥様が制作してくださいました。
リビングの一角にも、奥様がワークショップに参加して作ったパネルが。
「パネルを作るのが楽しくなって、最近はホームセンターでボードを買ってきて家でも作るようになりました」と奥様。
積極的に家を楽しんでくださっていて、嬉しく感じます。
キッチンと隣り合うランドリースペースにも、奥様の手で彩りが加えられていました。
ランドリールームはキッチンと隣合い、家事が効率的に行えるようになっています。
そこからぐるりと回って再びLDKへと戻れる回遊動線は、家事をする人以外にも嬉しい設計です。
「子どもたちがよくここをぐるぐる走り回って遊んでいて。家事効率だけでなく、子どもたちが楽しそうに過ごしているのもうれしいですね」とご主人。
2人の女の子がいることもあり、あえて洗面脱衣室は独立した空間にしました。
この場所のこだわりはタイル。
シックで美しく、かつ個性的なタイルを上手く取り入れるO様のセンスの良さが感じられます。
「以前、加藤さんとAg-工務店さんの阿賀町での完成見学会で見た、壁のヘリンボーンがいいなと思っていたんです」と奥様
これは床材を特徴的に組み合わせた意匠で、個性が強い素材です。
全体の雰囲気にいかに調和させるかがポイントでした。
「この床材を販売しているアンドウッドの遠藤さんからは『この方がツウっぽくなりますよ』とアドバイスを受けて、斜めではなく水平垂直が出る張り方にしてもらいました」とご主人。
水平垂直にすることによって、大人の遊び心を感じる上品な雰囲気に。
さらにスイッチや照明などをニッチに納め、その壁も合わせることで一体感が生まれました。
O様のこだわりは外観にも活かされています。
白い切妻屋根、とのご希望でしたが一般的な切妻、いわゆる三角屋根は破風とよばれる部材が端につきごつごつとした印象を与えがちです。
インテリアの上品な設えに合うよう破風板を最小限に抑えることで、一般的な住宅と比べて屋根がかなり薄く見えるように設計しました。
細部までこだわった家に暮らし、見た目だけではない良さを感じてくださっていました。
「友達が遊びに来ると『すごく居心地がいい』『落ち着く』『いつまでもいたい』と言われることが多いです。」
「私たちもこの家でゆっくり過ごす時間が好きですし、休みの日の食事も家で食べたいので外食にはあまり行かなくなりましたね」と奥様。
「個人の設計事務所に家づくりを依頼するというのは少数派かもしれませんが、本当に満足できる家を建ててもらえました。」とご主人が語ってくださいました。
「打ち合わせを重ねて、加藤さん・栄次さんとつくり上げた家なので、どの部分を切り取ってもそこにストーリーがある。
だからこそ、深い愛着を持って暮らせているんだと思います。
これから家を建てる人も、規模感のある住宅会社だけでなく、個人の設計事務所も選択肢に入れた上で『誰に頼むか?』を決めるというプロセスがいいんじゃないかなと思います」
細やかなこだわりや雰囲気は、オーナーのO様、現場、設計の3者が綿密に打合せを重ねて共有するからこそ実現できた空間。
加藤淳一級建築士事務所の得意とする「スッキリとした調和のとれたデザイン」に、O様の好みが絶妙のアクセントと個性となった住まいが完成しました。
▶暮らしてから2年が経ち
最近O様とのやり取りをする機会があり、在宅勤務をすることも増えたと伺いました。
子どもさんがいるとなかなか仕事にならない…と在宅あるある。
小さいお子さんがいる中での在宅勤務は本当に大変ですよね。
仕事が思うようにはかどらないもどかしさが伝わってきます。
私も子どもの休日に自宅で仕事をすることも多く、そのもどかしさは良く分かります。
「でも小さな書斎を作っておいて良かった」と話されていました。
書斎スペースは奥まったホールの一角。「こもり感」も感じる場所にしてあります。
また耐震と断熱についても話があり
「棟上げの時だったか、加藤さんから「この家は地震が起きても倒れない」という言葉があって、すごく心強く思えた」と印象に残っていると教えてくれました。
「建てていただいてから、2年経ちましたが、居心地は相変わらず最高ですし、いろんなところを少しずつ装飾したりいじったりして楽しんでいます。
耐震と断熱と、しっかり教えていただいて、自分の家のことを知れば知るほど、また愛着が大きくなりますね。」
と愛着を持って暮らして下さっている報告をくださいました。
こうして暮らしの様子を伺いお付き合いが続くことが、とても嬉しく思います。
▶O様邸の設計ポイント
デザイン面で沢山のご要望を頂いたO様邸。もちろん見た目だけではありません。
□100足あっても収納できる玄関スペース
ご夫婦ともに靴が多く、娘さんも2人。
この先増えることも考え合計100足分のスペースを希望されていました。
右手の天井まであるオープンな下駄箱は、普段使いの靴や傘を掛けられるスペース。
さらに右奥には、上着などを掛けられるハンガーパイプも設けています。
左手のルーバー付きの建具。この中もすべて下駄箱です。
決して広いスペースではありませんが、機能的に収納が配置されています。
□4帖の畳スペース
ご主人の希望で設けたスペースからは、隣家の庭木が借景として眺められます。
明確に区切られた和室でなくとも、大人のごろ寝や子どもたちの遊び場として憩いの場所となるのが畳の魅力です。
□子ども部屋を共用の収納で分ける
奥の子ども部屋は中央に共有のクローゼットを挟んだ左右対称の構成となっています。
完全に2部屋に分けるのではなく、互いの部屋を気軽に行き来できる間取りは広く部屋を使える工夫でもあります。
□駐車スペースを道路と平行に
道路と垂直に設けるのが一般的な駐車スペースですが、あえて水平に配置しました。
交通量の多い土地で、少しでも道路から視線を遮りプライベート性を高めています。
敷地内で車を切り返すことができるので、運転面での不便もなくアプローチも確保。
また表に面したリビング窓に排気ガスが排出されず、車の後ろ姿ではなくサイドが見られるのもポイントです。
上質な感性で彩られたデザイン性と、居心地の良さ、機能性。
どれも妥協せずバランスよく組み入れた住まいになりました。
竣工年月 2018年7月
構造 在来工法、一部金物工法
所在地 新潟市東区
家族構成 ご夫婦+2人姉妹
敷地面積 163.58㎡
延床面積 105.62㎡ (31.89坪)
1F 55.93㎡ (16.89坪) 2F 49.69㎡ (15.00坪)
施工会社 株式会社Ag-工務店
耐震等級 3
断熱性能 ZEH基準