書斎の設計ポイント~書斎は男のロマン~

書斎スペースを設計しているとき、なんだかワクワクしてきます。
子どものころ、秘密基地をつくって遊んだりしていましたが、それに近い感覚です。

そのワクワク感が、住まい手にも伝われば良いな、と思いながら、図面を描いたり、パースを描いたりしています。

提案時のパース。江南区の家

今まで設計した書斎をタイプ別にしていくつかご紹介します。
 

  1. 個室型書斎
  2. 寝室にある書斎
  3. リビングにつながる書斎
  4. ぐるぐる回れる導線にある書斎

1.個室型書斎

五十嵐の家01

個室の書斎。
南側に面して、明るい書斎です。壁一面に本棚を設置しています。

2.寝室にある書斎

中山の家の事例です。

主寝室の奥の一部を書斎にした例です。
掘り炬燵のようになっています。

江南区の家の書斎の事例です。

寝室の右側奥にあるのが、書斎です。ぐるっと回り込んで、書斎に到達します。
床が上がっているのは、下に階段があるためです。
ちょっとした段差により、寝室との境界が出来ます。

階段の上に書斎があります。
本棚の背面を半透明の素材にして、書斎からの光が本の隙間越しに階段に漏れます。

3.リビングにつながる書斎

リビングから書斎がみえます。さて、どこにあるでしょうか?

ちょっと分かりづらい場所にあります。

答えは、階段の踏板から見える場所です。
寝室に付随した書斎コーナーがあります。

書斎コーナー側から階段越しにリビングが見えます。
書斎コーナーは1階にあり、家族が集うリビングは中2階にあります。

五十嵐の家03

断面図です。
スキップフロア形式になっていて、書斎コーナーは、リビングと寝室の間に位置するようにしました。
オーナーは個人事業主で、扉を閉めて仕事に集中することも、扉を開けて、家族と何となくつながったり、TVの音を聞いたりして仕事する事も可能です。

4.ぐるぐる回れる導線にある書斎

寝室に付随したウォークインクローゼットの奥に、隠し部屋のように書斎を設けました。

喜多町の家

書斎から、2階のテラスにも出られるようになっていて、
書斎→2階テラス→2階ホール→寝室→ウォークインクローゼット→書斎
とぐるぐる回れるプランになっています。
 
個室というか、一人になれる場所も家のどこかに必要だと考えています。
私は家族とどのようにつながるか、ということを大事にして設計しています。でも、家族との時間を大事にする一方、時々一人になりたい、と思うことのあるもの。そのような場所や時間があることによって、もっと家族とのつながりを大事にするのではないか、と考えています。
書斎は、手軽に設けられる“そのような場所”でもあるのです。
 
私が書斎を提案する時に考えているポイントは、次の二点です。
 

  1. ワクワク感や少年のような遊び心
  2. 家族とつながりながらも、一人にもなれる場所

 
配置する場所、導線や窓のとり方により、書斎はとても楽しい場所になります。
面積や予算が限られていても、書斎は大きなスペースを要しないため、アイデア次第で実現可能だと思います。
そのようなところが、設計力の見せ所、とも言えます。
 
耐震性や省エネ性能を上げることはもちろんのこと、自分も楽しく、オーナーにも楽しんでもらえる書斎など、遊び心もある提案を心掛けています。