書斎スペースを設計しているとき、なんだかワクワクしてきます。
子どものころ、秘密基地をつくって遊んだりしていましたが、それに近い感覚です。
そのワクワク感が、住まい手にも伝われば良いな、と思いながら、図面を描いたり、パースを描いたりしています。
今まで設計した書斎をタイプ別にしていくつかご紹介します。
1.個室型書斎
個室の書斎。
南側に面して、明るい書斎です。壁一面に本棚を設置しています。
2.寝室にある書斎
中山の家の事例です。
江南区の家の書斎の事例です。
寝室の右側奥にあるのが、書斎です。ぐるっと回り込んで、書斎に到達します。
床が上がっているのは、下に階段があるためです。
ちょっとした段差により、寝室との境界が出来ます。
階段の上に書斎があります。
本棚の背面を半透明の素材にして、書斎からの光が本の隙間越しに階段に漏れます。
3.リビングにつながる書斎
リビングから書斎がみえます。さて、どこにあるでしょうか?
ちょっと分かりづらい場所にあります。
答えは、階段の踏板から見える場所です。
寝室に付随した書斎コーナーがあります。
書斎コーナー側から階段越しにリビングが見えます。
書斎コーナーは1階にあり、家族が集うリビングは中2階にあります。
断面図です。
スキップフロア形式になっていて、書斎コーナーは、リビングと寝室の間に位置するようにしました。
オーナーは個人事業主で、扉を閉めて仕事に集中することも、扉を開けて、家族と何となくつながったり、TVの音を聞いたりして仕事する事も可能です。
4.ぐるぐる回れる導線にある書斎
寝室に付随したウォークインクローゼットの奥に、隠し部屋のように書斎を設けました。
書斎から、2階のテラスにも出られるようになっていて、
書斎→2階テラス→2階ホール→寝室→ウォークインクローゼット→書斎
とぐるぐる回れるプランになっています。
個室というか、一人になれる場所も家のどこかに必要だと考えています。
私は家族とどのようにつながるか、ということを大事にして設計しています。でも、家族との時間を大事にする一方、時々一人になりたい、と思うことのあるもの。そのような場所や時間があることによって、もっと家族とのつながりを大事にするのではないか、と考えています。
書斎は、手軽に設けられる“そのような場所”でもあるのです。
私が書斎を提案する時に考えているポイントは、次の二点です。
- ワクワク感や少年のような遊び心
- 家族とつながりながらも、一人にもなれる場所
配置する場所、導線や窓のとり方により、書斎はとても楽しい場所になります。
面積や予算が限られていても、書斎は大きなスペースを要しないため、アイデア次第で実現可能だと思います。
そのようなところが、設計力の見せ所、とも言えます。
耐震性や省エネ性能を上げることはもちろんのこと、自分も楽しく、オーナーにも楽しんでもらえる書斎など、遊び心もある提案を心掛けています。