天野の家

新潟市江南区

コンセプト

南側の空き地に家が建ち、居間が暗くなった
子ども部屋が物置部屋になっていて、掃除や手入れが大変
とにかく寒い
耐風や強い風の時、揺れて怖い
床がギシギシと鳴く

愛着がありながらも、日々感じている住まいに対する不安や不満。
それらを解決しながら、家族を包み込むような優しい空間にならないかを考え、設計を進めました。

■減築/小屋梁の再利用

耐震診断の調査時に、 2階の 4部屋の内、 2部屋は増築されていることが分かりました。
子育てが終了し、物置部屋になっていたため、その部分を減築することにしました。
つまり建築当初の大きさに戻るということです。
2階を減築すると、耐震性が上がります。なおかつ、お手入れするスペースも減るので一石二鳥です。
その減築した部分の小屋梁を、一階の柱を抜いて補強が必要になったところに再利用しました。

解体時の写真。
赤い矢印が再利用した小屋梁で、黄色く囲んだ部分が減築した部屋です。
小屋のなかで家族の目に触れなかった梁が、今度は生活のメインスペースに移って家族を見守ります。

■東側から採光をとり、水廻りを移動する。

空き地だった南側に、近接して家が建ったため、居間が暗くなりました。
東側の建物と建物のスキマから光が入るように開口をとりました。
 
また北西側にあった水廻りを南西の角に移動し、サニタリーを広く設けています。西日で洗濯物がよく乾きます。

■耐震性と断熱性能の強化

鋼製建具をすべて取り換え、断熱材も入れなおし、居住の快適性を格段に向上させました。
既存の柱を出来るだけ残し、耐力壁を増やします。
セメント瓦を撤去し、ガルバリウム鋼板葺きの軽い屋根に変更しました。
また解体時、水廻りと浴室のあたりに多く見られた蟻害のある柱や土台を交換しました。

■写真集